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タラ号 太平洋プロジェクト 2016-2018

© Tara Pacific

« 気候変動に直面するサンゴ礁の生物多様性 »

 

2016年5月28日、科学探査スクーナー船タラ号は母港のロリアンからアジア・太平洋方面へと新しい探査に出航します。2年以上の年月をかけ太平洋上を10万キロ近く航行する予定 です。フランス国立科学研究センター(CNRS)がモナコ科学センター(CSM)と共に派遣した 科学者チームもタラ号に乗船し、新たな方法で気候変動や人為的被害に直面するサンゴ礁の生 物多様性や進化を調査する予定です。当プロジェクトは、フランス国立科学研究センター(CNRS)、パリ人文科学研究大学(PSL)、原子力・代替エネルギー庁(CEA)、モナコ科学セ ンター(CSM)や他の多くの公私のパートナーによってサポートされています。

海洋の表面積の 0.2%に満たないサンゴ礁は多様な海洋生物の30%が生息する場となっています。つまり、様々な海洋生物や人間にとってもサンゴ礁の健康状態はとても重要な意味を持つのです。近年、大量のサンゴ礁が消えゆく中、もろく消滅の危機に直面しているこの生態系の研究は最優先されるべきではないでしょうか。

タラ号は、太平洋をくまなく航行することでサンゴ礁の未知の生物多様性を調査し、サンゴ礁の気候変動への適応力をより深く理解したいと考えています。パナマ運河から日本列島(2016年-2017年)、ニュージーランドから中国(2017年-2018年)へと航行するスクーナー船タラ号は、世界の 最大海洋をまたぐ11ものタイムゾーンを横切り、地球の最遠隔地の島々やサンゴ礁を巡ります。

 

 

タラ号 太平洋プロジェクト 2016-2018

サンゴ礁の生物多様性への新たなアプローチ

当プロジェクトは、地理的に非常に広範囲に広がり地球上の40%のサンゴ礁が集まる「太平洋」を舞台としたユニークなプロジェクトです。このような規模での調査は初の試みです。

フランス国立科学研究センターの研究者であり、当プロジェクトの科学ディレクターであるセルジュ・プラヌは次のように語ります。「タラ号太平洋プロジェクトでサンゴ礁の生物多様性を解き明かしていきたいと思っています。サンゴのゲノム、遺伝子、ウイルス、バクテリア等の多様性をサンゴの周りの海水と比較し、サンゴ礁の生物多様性の実態を把握するのが目的です。」

今回の取り組みによって、生物学的、科学的、物理学的パラメーターがサンゴ礁においてどのように作用をしているのか、また環境変動にサンゴ礁にはどのような適応能力があるのか、新たに知るきっかけとなるはずです。

タラ号太平洋プロジェクトでは東南アジアの「コーラル・トライアングル」まで広がる生態系勾配を広範囲に航行する予定です。サンゴ礁の3種の生物(サンゴ2種とヒドロ虫綱の無脊椎動物の小さい品種1種)の存在を検出するために、40の群島で全く同一の方法で調査が行われます。

科学者たちは比較および学際的アプローチで近年のサンゴ群落を再調査し、サンゴ礁の現状を観察し、コンピューターで将来をシミュレーションする予定です。

サンゴ礁の健康状態と生物多様性のレベルに応じて、この生態系の抵抗力、適応力、回復力に科学者チームは焦点をあて、最終的にはサンゴの医療分野での適応の可能性の有無も視野に入れ研究します。

 

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環境問題の教育と啓蒙

「今回得られるデータは科学界だけでなく、現地や国際社会でも役に立ちます。主に小さな島々の住人の将来がかかっている、生物多様性の発祥地であるサンゴ礁が直面する問題をより深く理解するた めにもタラ号は貢献します」とタラ財団会長のエティエンヌ・ブルゴワは言います。

タラ財団はこれを機に政界、経済界への行動喚起、緊急を要するエコロジー問題を抱えた社会、健康な海洋に依存している住人の抱える問題にも目を向けるように呼びかけ啓発していきます。太平洋やアジアでの多くの寄港を予定しており、老若男女問わずひとりでも多くの方とこの環境問題を共有していきたいと考えています。

主要な行程

パナマ、マルペロ島(コロンビア)、イースター島、パペーテ(フランス領ポリネシア)、クック諸島、サモア、ウォリス・フツナ、マーシャル諸島、ミクロネシア、マリアナ諸島、日本、台湾、フィジー、ニュージーランド、ニューカレドニア、パプアニューギニア、フィリピン、中国、香港、韓国、など

遠征の主なパートナー

- アニエスベー、モナコ公国アルベール二世財団、セルジュ・フェラーリ、ヴェオリア・エンバイロメント財団、BillerudKorsnäs、ロリアン市街区、ブルターニュ地域圏

- フランス国立科学研究センター(CNRS)、パリ人文科学研究大学(PSL) 、モナコ科学センター (CSM)、原子力・代替エネ ルギー庁(CEA)、欧州分子生物学研究所(EMBL)、フランス環境基金(Fonds Français pour l’Environnement)、 ユネスコ・政府間海洋学委員会(Unesco – Commission Océanographique intergouvernementale)

 

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タラ号 2017 年 2 月より日本に寄港

タラ号来日!長年に渡る友情

タラ号は2017年2月よりアジアを航行します。アジア最初の寄港地として日本を選んだのは自然の流れです。フランスのデザイナー、アニエスベーはタラ号の共同創設者兼主要メセナで、日本には1983年から上陸。タラ号科学研究チームと日本人研究者の緒方博之氏は2009年より実り豊かな関係を築いてきました。緒方博之氏の専門は生命情報学、海洋微生物生態系の研究で現在京都大学教授、タラ号に乗船した初の日本人科学者です。このようにタラ号はすでに日本と日本人との長い関係性があり、これまで多くの新聞、資料、オンライン等で記事になりましたが、今後日本発でタラ号の日本の方針を発信していきたいと考えています

科学 : 黒潮に注目

タラ号は、南から北へ、北から南へ、サンゴ礁に生息する稚魚に 黒潮がどう影響しているのかを調査します。黒潮はメキシコ湾流 の次に大きな暖流です。太平洋の西、台湾から日本の北東へ進み 親潮とぶつかりながら日本列島を北上し北極圏に達します。日本

のサンゴ礁は黒潮の運ぶ暖流のおかげで地球上最北地に位置しています。水温の幅が13~29°Cと広 く、将来の気候変動と海洋生物の適応関係を研究理解する上で重要となるでしょう。

数多くの寄港

2017年、南太平洋を航行するタラ号はまず小笠原にそして福岡に寄港します。その後、広島、神戸、横浜、東京、敷根島・下田、高知と沖縄に寄港する予定です。そして一度日本を離れ、アジア、東南アジアと南太平洋(韓国、中国に寄港予定)を航行した後、再び2018年に日本に戻ってきます。

一般公開寄港地:

福岡 (2017年2月18日~22日)、広島(2月24日~28日)、神戸(3月2日~6日)、横浜(3月9日~16日)、東京(3月16日~23日)が一般に公開される寄港地とその日程です。多くの方々に見物いただけます。

期間中のイベント :

- 国内・地方記者対象に記者会見でタラ号の研究成果を発表
– 乗船組員の案内によるタラ号の見学、船上での日常、科学調査、これまでと今後の探査の紹介
– 学校を対象とした教育プログラム(船の見学、海洋の直面している危機についての展示会等)
– 海洋と気候の関係とサンゴ礁についての展示
– 一般向けの上映

 

北野武 :タラ号日本大使

「喜んで」。こう言って北野武氏はタラ財団の事務局長のロマン・トゥルブレに対してタラ号日本大使となることを快諾しました。タラ号のことを良く知る北野武氏は、タラ号を「何か月も北極の氷にはさまっていられる、アニエスベーの帆船!」と認識しています。アニエスベーと長年の友人である彼は、2010年に東京でエティエンヌ・ブルゴワと長時間に渡り会談しました。その際、彼らは現在の気候の変動と生態系のバランスが大きく崩れていることについての懸念をともに語り合いました。北野武氏は青年時代、フランス人艦長、ジャック=イヴ・クストーとカリプソ号の冒険に夢中で、一時、海洋生物学者に憧れていたと繰り返し話しています。

 

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数字で見る海洋探査

• 2003年以降、タラ号にとって11回目の海洋探索
• 期間:2年(2016年5月から2018年9月まで)
• 訪問国:30ヵ国
• 寄港地:70ヵ所
• 航行距離:10万キロ

• 40の群島を同一手法で分析し比較
• 2016~2017年の5つの拠点を含め、10の拠点がその土地独自の問題に焦点を当てた研究対象(2018年の拠点は選定中)
• 2年間に合計4万点のサンプルを収集予定
• 8ヶ国から70人の科学者が乗船
• 18の研究機関および調査研究所

• 最長無寄港航行: 31日(台湾~フィジー間、2017年5月)
• 太平洋の 11 のタイムゾーンを航行予定
• 7つの大洋や海を航行:大西洋、カリブ海、南太平洋、南シナ海、東シナ海、ソロモン海、珊瑚海
• 32° C:太平洋で記録された最高海水温

• タラ号には乗組員6名および科学者7名が常時乗船
• 2016年から2018年までに8名のアーティストが乗船(アーティスト・イ
ン・レジデンス)
• 主要金融機関6社を含む提携企業55社
• 海洋調査の予算:500万ユーロ

パートナー
  • Oceans by Disney
  • agnès b.
  • Fondation prince Albert II de Monaco
  • Serge Ferrari
  • UNESCO – IOC
  • BillerudKorsnäs
  • CNRS
  • University of Tsukuba